島井宗室遺書
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人は少しでも金のある時に、財産を増やすことを心掛け、商売を怠らずひたすら稼ぐことが、この世の勤めである。金のある時は油断して、欲しいものを買い、派手にしたい放題のことをして、たちまち財産を遣い果たし、その時になって慌てふためき、嘆いてももはや商売の手立てもなく、倹約すへき財産もなくなっている。こうなってしまっては、乞食にでもなるほかない。このような愚か者に、人を使うことなどできない。金のある時にも稼ぎ、財産を増やすことを、車の両輪のように心掛けることが大切である。いかに倹約して、せっせと袋に物を詰めようとも、人間は衣食を整えなければならず、その時には取り出して使わない訳にはいかない。武士には領地があるが、商人は商いで儲けるしかないのだ。しかし、いかに稼いで袋に詰めても、無駄遣いをしては、たちまち空になってしまう。それでは底の抜けた袋に物を入れたのと同じことだ。このことを理解することが、肝心である。
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