最近のニュースで、店舗で働いている方が社員ではなくて個人事業主ということが多いということをやっています。(「名ばかり事業主」と言うみたいです。)なぜ社員として働かせていないのか、経営者としてみると経費の削減策が見えてきます。
社員として働かせると社会保険・厚生年金の加入があり会社が半分負担しなければならない
社会保険・厚生年金(以下、保険料という)は、会社と社員で折半して支払います。この保険料が、年々高くなってきていることと、最近は事業所への指導が入るようになり強化されてきています。
会社が半分負担しなければならないので、数人規模の会社でも年間では数百万円の保険料になります。社員さんの老後の生活費になるのですから、負担するのも仕方がないとは思うのですが、資金的にきつくなります。
個人事業主ならば保険料の負担は無し
社員としてではなく、個人事業主として業務委託契約とか業務請負契約という形で仕事を発注するという方法にすると保険料の負担は無くなります。
仕事の発注ですから、契約金額に消費税を加えて支払うだけになります。
消費税が10%になったとしても、保険料率は約30%(会社負担は2分の1)ですので、比べてみてもかなり減ることになります。
簡単に計算してみると
例えば、給料18万円を支払う場合(簡単にするために端数は除く、固定費、手当とかで変わります。目安です。)
社員の場合
給料 18万円から下記の分を引きます。
保険料5万円の半分の2.5万円
源泉所得税 0.3万円
手取りで約15.7万円となります。
【重要】
ここが大事なところですが、会社は保険料の半分を負担しますので、給料18万円プラス2.5万円で20.5万円支払うことになります。
個人事業主の場合 2つ考えられます
給料 18万円に消費税を加えて(10%としても)
支払金額、19.8万円となります。
又は、
給料 18万円から下記の分を引きます。
源泉徴収税 1.8万円
手取りで16.2万円となります。
会社にとって社員は負担増になる
社員の場合 20.5万円
個人事業主の場合 19.8万円
保険料の負担が無い分安くなります。
これ以外にも社員よりも個人事業主の方が会社にとってはメリットがあります。会社の仕事が無くなれば、個人事業主なら発注しなくて良くなります。仕事があるときだけ人を増やせます。社員だと辞めさせることが出来ないので、遊んでいても給料を支払うので負担が増えます。
個人事業主からみるとデメリットが多い
社員の時は手取り15.7万円、個人事業主なら19.8万円
一見、個人事業主の方が良いように思いますが、ぜんぜん違います。
個人事業主の方は、国民年金・国民健康保険に加入します。これは個人負担です。
国民年金 1.6万円
健康保険 1.2万円
数字は、大体ですが2.8万円ほど1か月に掛かります。19.8万円から2.8万円を引くと、17万円になります。
交通費や住宅手当なども支給されなくなります。これ以外にも経費としての支出が増えます。個人事業主には所得税や消費税、住民税のほかに「個人事業税」も支払います。
社員に見えて実は個人事業主という形態を考えると
会社にとっては、負担が減るのでこのようなある意味「偽装発注」をしたいと考えるでしょう。
社員から個人事業主になったら収入が増えるからなどと、カラクリを知らないと言いくるめられてしまいます。
社員と個人事業主は、待遇に大きな差があります。ここを良く考える必要があります。目先の金額だけを見ずに、全てを計算してみてください。