こんにちは。
今回は、TPM2.0のエラーが出ているパソコンにWindows11をインストールする方法について解説します。
相談内容
ある会社の社長さんから、「デスクトップパソコンがまだ新しいのにTPM2.0のエラーが出ていて、Windows11がインストールできない」という相談を受けました。
早速、Windows11のアップグレード対象かチェックすると、「このPCは現在、Windowsシステム要件を満たしていません」と表示されます。
パソコンのスペックを確認すると、
- CPU:Ryzen 5 5600G
- マザーボード:ASUS PRIME B550M-A
今回は、このPCのTPMを有効にする方法について解説します。
Windows11のシステム要件チェック
Windows11をインストールするには、Microsoftが定めるシステム要件を満たしている必要があります。特に「TPM 2.0」が必須要件の一つとして挙げられており、多くのPCでこれが問題となります。
まずは、Windows11へのアップグレードが可能かどうかを確認するために、Microsoftが提供する「PC正常性チェック」ツールを利用します。
PC正常性チェックツールの使い方
- 設定 → 更新とセキュリティ を開きます。
- Windows11の準備をする の「ハードウェア要件を確認する」をクリックします。
- Microsoftのページの最下部にある「互換性の確認」から「PC正常性チェック」アプリをダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルを実行してインストールします。
- アプリを起動し、「今すぐチェック」ボタンをクリックします。
- 互換性チェックが実行され、Windows11に対応しているかどうかの結果が表示されます。
このツールでは、CPU、メモリ、ストレージ、TPMの有無 などがチェックされます。
今回のパソコンでは、「システム要件を満たしていません」と表示され、「TPM 2.0がサポートされ、有効になっている必要があります」とのエラーが出ました。
TPM2.0の有効化方法
多くのパソコンではTPM2.0が搭載されているにもかかわらず、BIOSで無効化されていることがあります。この場合、BIOS設定を変更することで有効化できます。
BIOSでTPM2.0を有効にする手順
- PCを再起動 します。
- メーカーによって異なりますが、起動時にF2キーまたはDELキーを押してBIOSに入ります。(F12キーの場合もあります)
- 詳細モード(Advanced) を開きます。
- AMD fTPM configuration を探します。
- TPM Device Selection を「Firmware TPM」に設定します。
- 変更を保存 して、再起動します。
TPM有効化の確認方法
- Windowsキー + Rキー を押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「tpm.msc」 と入力し、「OK」をクリックします。
- 「TPM管理」ウィンドウが開き、「TPMは準備ができています」と表示されていれば、有効化に成功です。
Windows11のインストール方法
TPMの設定が完了したら、Windows11のインストールを行います。
方法1:Windows Updateを使用する
- 設定 → 更新とセキュリティ を開きます。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックします。
- Windows11がアップグレード候補として表示される場合は、そのまま「ダウンロードとインストール」を選択します。
- 表示されない場合は、「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオンにして、1日ほど待ってみます。
方法2:インストールメディアを使用する
- 「Windows 11メディア作成ツール」 をダウンロードします。
- ツールを起動し、ライセンス条項を承諾します。
- 「インストールメディアの作成」で言語とエディションを選択します。
- 8GB以上のUSBメモリ を用意し、USBドライブにブータブルメディアを作成します。
- USBメディアの作成が完了したら、完了をクリックします。
- 作成したUSBを使ってPCを起動し、Windows11のセットアップを進めます。
- 「setup.exe」 を実行し、画面の指示に従ってインストールを完了させます。
インストール後の確認
インストール完了後、Windows11が正常に動作しているか確認しましょう。
まとめ
本記事では、
- PC正常性チェックツールでの互換性確認
- TPM 2.0の有効化とBIOS設定
- Windows11のインストール方法(Windows Update / インストールメディア)
について解説しました。
PCのメーカーや機種によって設定画面や手順が異なる場合がありますので、お使いのPCの説明書やメーカーのサポートページもご確認ください。また、作業前に必ず重要なデータのバックアップを取ることをおすすめします。
以上で、TPM2.0のエラーが出るPCにWindows11をインストールする方法の解説を終わります。