Windows 10をLTSCにアップグレードする方法とその検証レポート【アプリやデータはそのまま】

2025年10月15日にWindows 10のサポートが終了します。
それでも「Windows 10を使い続けたい」という方にとって注目されているのが、「LTSC(Long-Term Servicing Channel)版へのアップグレード」という選択肢です。

この記事では、実際にWindows 10 HomeおよびProから、アプリやデータを保持したままWindows 10 Enterprise LTSC 2021へアップグレードを試みた手順と、その結果を詳しく解説します。


◆ 結論:Windows 10 ProからならLTSCへのアップグレードは可能だった

  • Windows 10 Homeでは失敗

  • Windows 10 Proでは成功

  • アプリや個人ファイルもそのまま引き継がれ、動作も問題なし

  • 正規のLTSC 2021ライセンスが必要

  • Windows 11へのアップグレードは今のところ不明


◆ なぜ今「LTSC」なのか?

Windows 10のサポートが終了する中、以下の選択肢があります:

選択肢 サポート期限 備考
通常のWindows 10 2025年10月15日 通常サポート終了
ESUプログラム登録 2026年10月13日まで 年額有料サブスクリプション
Enterprise LTSC 2021 2027年1月12日まで 長期サポートあり
IoT Enterprise LTSC 2021 2031年1月13日まで 特定デバイス向け

今回の方法は、LTSCにアップグレードすることで2027年までセキュリティ更新が可能になる手法です。


◆ クリーンインストールせずにアップグレードする方法

通常、LTSCへの移行はクリーンインストールが基本です。
今回はレジストリを編集して、現在のOSをLTSCのように見せかけることで、アップグレードを可能にしました。

▼ 必要なもの

  • Windows 10 Pro(Homeでは不可でした)

  • 言語に合ったLTSC 2021のISOファイル

  • 正規のLTSC 2021ライセンス


◆ 実際の手順

1. 現在のバージョンと言語を確認

  1. 設定 → システム → 詳細情報からバージョン確認
     例:「Windows 10 Pro 22H2」

  2. コマンドプロンプト(管理者)で以下を入力:

    dism /online /get-intl

    例:「System Locale: ja-JP」

自分のPCがどの言語環境なのか確認し、それに合ったLTSCのISOを準備します。


2. レジストリの変更

regeditでレジストリエディタを開き、以下のキーを編集します:

パス:

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion

編集内容:

名前 変更前 変更後
EditionID Core(Homeの場合) EnterpriseS
ProductName Windows 10 Homeなど Windows 10 Enterprise LTSC
ReleaseID 22H2など 21H2
DisplayVersion 22H2など 21H2
CurrentBuild 19045 19044
CurrentBuildNumber 19045 19044

※再起動はしないで、すぐにISOをマウントします。


3. ISOをマウントしセットアップを開始

  • ダウンロードしたLTSC ISOファイルを右クリック → 「マウント」

  • setup.exeを実行

  • 「更新プログラムは今は実行しない」を選択

  • 使用許諾に同意

  • 「アプリとファイルを引き継ぐ」が選択されていることを確認

そのままインストールを進めます。30分以上かかる場合があります。


◆ 結果:Proでは成功、Homeでは失敗

  • Windows 10 Homeでは途中でエラーが出て失敗

  • Windows 10 Proではインストール成功

  • インストール後は外見の変化は少ないが、「詳細情報」で「Windows 10 Enterprise LTSC 21H2」と表示される

  • アプリやデータ(Steam、Chromeなど)も問題なく動作


◆ 注意点とデメリット

1. 正規のライセンスが必要

LTSCは企業向けライセンスのため、ライセンス認証を通すには正規のLTSCライセンスが必要です。これがないと認証エラーになります。

2. 一部のソフトが動かない可能性

LTSC 2021は21H2ベースのため、22H2以降で動くソフトが使えない場合も。

3. 今後のアップグレードに制限があるかも

LTSCからWindows 11 LTSCへ直接アップグレードできるかは不明。
必要になればクリーンインストールになる可能性があります。


◆ まとめ:この方法はあくまで検証としての紹介です

今回紹介した手順は技術的な検証目的であり、一般のユーザーには推奨できません。
とくにライセンスの問題や失敗リスク、サポート外であることを踏まえると、慎重な対応が必要です。

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