
今回は Windows 11 25H2(Insider ビルド 26120.6772 / KB5065797) における
「Microsoftアカウントがインストール時に必須化された変更点」について、実機で検証した結果をわかりやすく解説します。
これまでは、Windowsセットアップ時にインターネットを切断したり、特定のコマンドを使うことで「ローカルアカウント」を作成できました。
しかし、今回Microsoftが発表した最新ビルドでは、その仕組みがいよいよ制限され始めています。
Microsoft公式の発表内容
Microsoftは公式ブログで次のように説明しています。
「Windowsセットアップ(OOBE)でローカル専用アカウントを作成するための既知の仕組みを削除します。これらの仕組みはMicrosoftアカウント構成を回避するためによく用いられましたが、誤って重要な設定画面をスキップしてしまう可能性があるため削除します。ユーザーはインターネットとMicrosoftアカウントを使用してOOBEを完了する必要があります。」
つまり、これまでよく使われてきた「ローカルアカウント作成の抜け道」が封じられ、今後はMicrosoftアカウントでのセットアップが基本となる ということです。
実際に試してみた
今回は実際の環境で、3つの方法を順番に検証しました。
結果として、一部の方法ではまだ回避が可能 でした。
① コマンドプロンプトとレジストリで回避する
セットアップ中(OOBE画面)で Shift+F10 を押すと、コマンドプロンプトが起動します。
ここで以下のコマンドを入力します。

このコマンドは、レジストリ内のHKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\OOBE にあるBypassNRO という値つくり、「1」に設定することで、ネットワーク接続を回避できるようにする仕組みです。
再起動後、LANケーブルを抜いて、ローカルアカウントを作成できるようになります。
🔧 regeditを使って直接変更する場合
もしコマンド入力が大変な場合は、次の手順でGUI操作でも同じ設定ができます。
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Shift+F10 でコマンドプロンプトを開く
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regeditと入力してレジストリエディタを起動 -
左側で次の場所を開く
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右側の空欄で右クリック → 「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
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名前を BypassNRO に変更し、値を「1」に設定
-
レジストリエディタを閉じて、PCを再起動
これで、同じように回避できます。
② メールアドレスとパスワードにダミー文字を入れる方法
この方法は昔から知られているもので、最新ビルド(26120.6772)でもまだ有効 でした。
セットアップ時にMicrosoftアカウントを求められたら、次のように適当な文字を入力します。
-
メールアドレス:
a -
パスワード:
a
または -
メールアドレス:
no@thanks.com -
パスワード:
1111(何でもOK)
すると「問題が発生しました」というエラーが表示されますが、そのまま「次へ」をクリックすると、ユーザー名を入力する画面 に進み、ローカルアカウントの作成が可能になります。
③ autounattend.xmlを使って自動でローカルアカウントを作る
少し上級者向けの方法ですが、インストールメディアに「autounattend.xml」という設定ファイルを追加することで、自動的にローカルアカウントを作成させることができます。
このXMLファイルには、セットアップ中に入力されるユーザー名やパスワード、地域設定などをあらかじめ記述しておくことで、Microsoftアカウントの入力をスキップできます。
まとめ
Windows11 25H2から、Microsoftアカウントを必須とする動きが本格化 しています。
とはいえ、現時点(ビルド26120.6772)では、まだいくつかの方法でローカルアカウントを作成することが可能です。
今後のビルドで完全に封鎖される可能性もあるため、この検証はあくまで「現時点での結果」として参考にしてください。



