CachyOSで“Microsoft Word”を動かす時代へ、Winpodxを使ってLinux上でOfficeを動かしてみた

LinuxでMicrosoft Wordを使う――。

これは長年、多くのLinuxユーザーにとって大きな課題でした。

今回は、話題の新技術「Winpodx」を使って、Arch Linux系ディストリビューション「CachyOS」上で、Microsoft Wordを動かしてみます。

しかも今回の検証環境は、

  • Core i3-10105
  • メモリ16GB
  • 128GB SSD

という、決して最新ではない一般的なPCです。

「古いPCでも本当に実用になるのか?」

そこも含めて詳しく検証していきます。


LinuxでWordを使うのは昔から難しかった

LinuxでOfficeを使う方法は、これまでいくつかありました。

LibreOfficeで代用

もっとも一般的なのがLibreOfficeです。

無料で使えて非常に便利ですが、

  • レイアウト崩れ
  • フォント差異
  • Office互換問題

が起きやすく、特に企業ファイルでは不安が残ります。


Office Onlineを使う

ブラウザ版Officeもあります。

ですが、

  • 機能制限
  • オフライン不可
  • 重い

などの問題があります。


Wineで無理やり動かす

WineはWindows APIをLinux上で再現する技術です。

しかしOffice系は非常に難しく、

  • 起動しない
  • 不安定
  • 日本語周りの問題

などが多くありました。


仮想マシンでWindowsを丸ごと起動

実は一番安定していたのは、この方法です。

なぜなら、仮想マシン内部では“Windows”が動いているからです。

つまり互換性は非常に高い。

WordやExcelもかなり安定して動きます。

ですが問題は重さです。

Windows全体を起動するため、

  • CPU
  • メモリ
  • ストレージ

を大量に消費します。

特に古いPCでは、

「Linuxを軽く使いたいのにWindows VMが重すぎる」

という本末転倒な状況になりがちでした。


そこで登場したのがWinpodx

最近Linux界隈で話題になっているのが「Winpodx」です。

Winpodxは簡単に言うと、

Linux上でWindowsアプリだけをネイティブ風に表示する技術

です。

通常の仮想マシンのようにWindowsデスクトップ全体を表示するのではありません。

  • Wordだけ
  • Excelだけ

をLinuxアプリのように単体起動できます。

かなり未来感があります。


Winpodxの内部構造

内部では、

  • Podman / Docker
  • FreeRDP RemoteApp
  • Windowsコンテナ

などの技術を組み合わせています。

つまり、

Windowsそのものを軽量環境として内部に持ちながら、必要なアプリだけLinux側へ表示しているわけです。


Wineとの決定的な違い

WineはWindows APIをLinux側で“翻訳”しています。

そのため、

  • 動くソフト
  • 動かないソフト

の差が激しい。

特にOfficeは難しいことで有名でした。

ですがWinpodxは違います。

内部で“Windows”が動いています。

つまり翻訳ではなく、Windows環境でWordが動いている。

だから互換性が高い。

ここが最大のポイントです。


LinuxアプリのようにWordを起動できる

さらに面白いのが操作感です。

普通の仮想マシンだと、

  1. Windows起動
  2. スタートメニュー
  3. Word起動

という流れになります。

ですがWinpodxでは、

Linux側のアプリメニューから直接Wordを起動できます。

つまり、

「Windowsを開いてからWordを開く」

という感覚ではありません。

最初からLinuxアプリのようにWordだけ起動できます。


まずはシステム更新

最初にアップデートします。

sudo pacman -Syu

Arch系ではまず更新しておくのが基本です。


Winpodxをインストール

インストールは非常に簡単です。

curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/kernalix7/winpodx/main/install.sh | bash

これだけです。

すると自動的に、

  • Podman
  • FreeRDP
  • Python
  • 各種依存関係

などが確認・インストールされます。

■ Winpodx公式GitHub

https://github.com/kernalix7/winpodx?utm_source=chatgpt.com


セットアップ進行状況の確認

初回セットアップではWindowsコンテナ構築が行われます。

その際、

http://127.0.0.1:8007

というURLが表示されます。

これをブラウザで開くと、Winpodxの進行状況を確認できます。

HDD環境だとかなり時間がかかるため、

「止まった?」

と思った時は、このページを見ると安心です。


Windowsデスクトップを起動

セットアップ後、まずはWindowsデスクトップ全体を起動します。

winpodx app run desktop
を実行します。

これでWindowsデスクトップへ接続できます。


Officeをインストール

今回はOfficeセットアップファイルをLinux側からコピーして利用しました。

本来USBを使いたかったのですが、USBパススルーがやや弱く、認識が不安定でした。

ここはまだ発展途中という印象です。

その後は通常のWindowsと同じです。

Officeセットアップを実行してインストールします。

Wineのような特殊設定はほぼ不要でした。


アプリ一覧を更新

Officeインストール後はこちら。

winpodx app refresh

これを実行すると、

Windows側へ追加したアプリをLinux側へ反映してくれます。


Wordを単体起動

するとLinux側メニューからWordが起動可能になります。

Windows全体ではなく、

“Wordだけ”

が表示されます。

かなり不思議な感覚です。


実際の使用感

驚くほど普通です。

  • ファイル保存
  • コピー&ペースト
  • ドキュメント編集
  • Alt+Tab切り替え

など基本操作はかなり自然です。

特にLinuxファイルをそのままWordで開けるのは非常に便利でした。


日本語IME問題もあった

ただし少し問題もありました。

Windowsデスクトップ全体では日本語入力可能でしたが、

Word単体起動ではIMEが不安定になる場面がありました。

これはFreeRDP RemoteApp系の日本語IME連携がまだ完全ではないためと思われます。

現状では、

winpodx app run desktop

でWindows全体を開き、そこからWordを起動する方が安定しました。


実用になるのか?

結論から言うと、

Word用途なら十分実用レベルです。

もちろん、

  • 動画編集
  • GPU系作業
  • 重い3D

には向きません。

ですが、

「Linuxをメインにしたい。でもOfficeだけ必要」

という用途ならかなり現実的です。


注意点

Winpodxはまだ新しいプロジェクトです。

現時点では、

  • 完全な安定性はまだこれから
  • GPUパススルーは弱い
  • USBパススルーも弱め
  • 初回セットアップが重い
  • Windowsライセンス問題がある

といった注意点があります。


LinuxとWindowsの境界線が曖昧になる時代

昔は、

「LinuxかWindowsか」

という二択でした。

ですが今は違います。

Linuxをベースにしながら、

必要なWindowsアプリだけ使う。

そんな時代が現実になり始めています。

Winpodxは、その象徴のような存在だと思います。

しかも古めのCore i5環境でもここまで実用になる。

Linuxデスクトップの未来、かなり面白くなってきています。

スポンサーリンク
いつも使うから安く!と思っている方向け。

シェアする

フォローする

Translate »