
Linuxへ移行したいと思っている人の多くが、必ずぶつかる問題があります。
それが「Office問題」です。
特にExcelは、
- 仕事で使っている
- 会社のファイルを開きたい
- LibreOfficeでは完全互換が不安
という理由から、Windowsを手放せない人もかなり多いと思います。
そこで今回は、Zorin OSにWinpodXをインストールし、Microsoft Excelがどこまで実用的に使えるのかを実際に検証してみました。

結論から言うと、
- Windowsデスクトップはしっかり起動
- Excelも動作
- 日本語入力も可能
- 保存・再読み込みも問題なし
という、かなり面白い結果になりました。
ただし、現時点では「Excel単体起動」は不安定です。
つまり、
Windowsデスクトップ経由なら使える
という状態でした。
今回は、そのリアルな状況をそのまま紹介していきます。
ExcelはWordよりずっと複雑
Wordは文章を書くツールですが、Excelは違います。
Excelでは、
- 数式
- 関数
- セル参照
- シート管理
- オート計算
など、内部処理の精度が非常に重要になります。
そこで今回は、
- セル入力
- 日本語入力
- 数式・関数
- 保存と再読み込み
- スクロール
- シート切り替え
- 動作速度
このあたりを実際に触りながら検証しました。
単に「起動できた」だけでは、本当に使えるとは言えません。
実用レベルなのかどうかをリアルに確認していきます。
なぜ「本物のExcel」が必要なのか?
LinuxにはLibreOffice Calcがあります。
これは非常によくできた表計算ソフトで、基本的な表計算であればほとんど問題なく使えます。
ですが現実問題として、
- レイアウト崩れ
- VBAマクロ
- フォント差異
- 複雑なExcel書式
このあたりは完全互換ではありません。
特に会社のExcelファイルでは、
「少し表示がズレただけで困る」
というケースもあります。
だからこそ、
本物のMicrosoft Excelを使いたい
という需要は今でもかなり大きいわけです。
今回の環境
今回の検証環境はこちらです。
- OS:Zorin OS
- CPU:Core i3-10105
- メモリ:16GB
- ストレージ:SSD 256GB
特殊なハイスペック環境ではなく、比較的一般的な構成です。
WinpodXをインストール

今回使用したのは「WinpodX」です。
WinpodXは、Linux上でWindows環境を扱いやすくするツールです。
以前のWine環境では、
- DLL地獄
- ランタイム不足
- 複雑な設定
など、初心者にはかなり厳しい状況がありました。
ですが最近はかなり自動化されていて、以前より圧倒的に簡単になっています。
■ Winpodx公式GitHub
https://github.com/kernalix7/winpodx?utm_source=chatgpt.com
インストール中に発生したエラー
freeRDPエラー
まず最初に発生したのが、freeRDP関連のエラーでした。
最近のUbuntu系・Zorin OSでは、昔の
freerdp
というパッケージ名ではなく、
freerdp2-x11
または
freerdp3-x11
へ変更されています。
そこで手動インストールを行いました。
sudo apt install freerdp3-x11 -y
git不足エラー
続いて、
gitが入っていない
というエラーも発生。
こちらは単純にgitが未インストールでした。
sudo apt install git -y
で解決しました。
Linuxでは、エラーメッセージをよく読むと原因がそのまま書かれていることも多いです。
Windows 11を起動
WinpodXでWindows 11環境をダウンロード。
初回起動には少し時間がかかりましたが、無事Windowsデスクトップが起動しました。
最初は英語表示
最初のWindows 11は英語表示でした。
そこで、
- Language & Region
- Japanese追加
- Microsoft IME
- 日本語キーボード設定
を行い、日本語化していきます。
キーボード設定も重要で、
- @位置
- 半角全角キー
- 記号位置
などがズレることがあります。
今回は106/109キーボードとして正常認識されました。
Excelをインストール
USBメモリ内のOfficeインストーラーからExcelを導入。
インストール自体は普通のWindowsとほぼ同じです。
その後、
winpodx refresh
を実行。
これによってWindowsアプリ一覧をLinux側へ再反映できます。
ただし問題発生:Excel単体起動できない
ここで1つ問題がありました。

実は今回、
Excel単体起動はできませんでした。
WinpodXデスクトップ自体は正常に動作しています。
ですが、
winpodx app run excel
のような単体起動は失敗。
そのため今回は、
Windowsデスクトップ経由でExcelを起動
しています。
このあたりはまだ完全ではありません。
ですが逆に言えば、
デスクトップ経由なら実際に使える
ところまで来ています。
実際のExcel動作を検証
今回は実務に近い検証として、
千葉市の「支援金」の申請書類を使用しました。
行政系Excelは、
- レイアウトが複雑
- 入力欄が細かい
- フォント依存
など、互換性確認にはかなり向いています。
実際に使ってみた感想
セル入力
普通に入力可能。
セル移動もスムーズです。
日本語入力
Microsoft IMEも正常動作。
変換中のフリーズなどもありませんでした。
これはかなり重要ポイントです。
数式・関数
SUM関数やオート計算も問題なし。
計算結果も正常表示されました。
保存と再読み込み
xlsx形式で保存後、再読み込みも成功。
レイアウト崩れも特に確認されませんでした。
LinuxでOfficeは無理…の時代は終わりつつある

もちろん完璧ではありません。
- 環境依存
- アップデート影響
- 重いマクロ
- 巨大Excel
このあたりはまだ未知数です。
ですが少なくとも、
LinuxではOfficeは無理
という時代は、かなり終わりに近づいています。
実際に触ると、この印象はかなり変わります。
今回の結論
今回の検証結果はこちらです。
- Windowsデスクトップは動作
- Excelも利用可能
- 日本語入力OK
- 保存・再読み込みOK
- 軽い表計算ならかなり実用的
ただし、
- Excel単体起動は不安定
- 完全なWindows代替とはまだ言えない
という状態でした。
それでも、
Linux上でここまでOfficeが動く
というのは、かなり大きな進化だと思います。
Linux移行を考えている人にとって、かなり興味深い選択肢になってきました。



