
日本製Linuxディストリビューションの中でも、ひときわ個性的な存在が「Kamuriki Linux/GNU/X」です。
以前このブログや動画でも「Kamuriki Linux」として紹介しましたが、現在開発元では「Kamuriki Linux」という呼称を非推奨としています。
正式名称は
Kamuriki Linux/GNU/X
カムリキ・リナックス・グニュー・アンド・エックス
略称は
Kamuriki LGX
または
KLGX
です。

今回は開発停止や有料版終了を経て、2026年に再始動したKamuriki LGXの現状を調べてみました。
■Kamuriki Linux/GNU/X
→ https://sourceforge.net/projects/kamurikilinux/
Kamuriki LGXは初心者向けLinuxではない
最初にお伝えしておきたいのが、Kamuriki LGXはLinux初心者向けを目指して作られたディストリビューションではないということです。
Linux MintやZorin OSのように、
「Windowsから移行する人が迷わず使える」
ことを最優先にしたディストリビューションとは考え方が異なります。
Kamuriki LGXは、開発者自身が本当に欲しい環境を作ることを目的として開発されているLinuxです。
そのため万人向けというよりも、独自の思想や世界観を持った個性的なディストリビューションと言えるでしょう。
開発停止から再始動へ

Kamuriki LGXは2025年末に大きな転機を迎えました。
2025年12月、開発元は有料版の廃盤とVersion 5の開発中止を発表します。
さらに販売や配布も終了し、サポートのみ継続する体制へ移行しました。
この発表を見て、
「Kamurikiは終了してしまうのではないか」
と感じた人もいたかもしれません。
しかしその後、大きな動きがありました。
2026年3月、開発元はプロジェクトの再始動を発表します。
再始動のお知らせでは、
「開発を続けることそのものが精神の安定につながる」
という趣旨の説明も書かれていました。
こうした背景から、プロジェクトの継続を決断したようです。
また、有料販売は終了し、現在はSourceForgeで無料配布されています。
さらに一度中止されたVersion 5についても、Debian 14ベースとして開発再開が発表されており、2027年公開予定とされています。
Debian Stableベースの堅実な構成

現在のKamuriki LGXはDebian Stableをベースにしています。
そのためDebianの豊富なパッケージ資産を利用でき、安定性を重視した構成になっています。
Ubuntuのような派手な独自機能を多数追加するというよりも、Debianをベースに開発元独自の思想を加えたディストリビューションという印象です。
「音楽とエロゲの同人クラブ」が作るLinux
Kamuriki LGXの特徴として外せないのが開発元の存在です。
公式サイトでは、
「音楽とエロゲの同人クラブが作るLGXディストリビューション」
と紹介されています。
また、
「開発者が本当に欲しいOSを作るプロジェクト」
とも説明されています。
近年のLinuxディストリビューションは企業向けや初心者向けを意識したものが多くなっています。
その中でKamuriki LGXは創作活動を支えるためのOSとして開発されている点が特徴です。
音楽制作やゲーム制作など、開発者自身の活動を支えるための基盤として作られています。
LGXとは何の略?
Kamuriki LGXのLGXには意味があります。
LGXは
- Linux
- GNU
- X11
の頭文字を組み合わせた名称です。
Linuxカーネルだけでなく、GNUユーザーランドやX11によるデスクトップ環境も重視するという考え方が名前にも反映されています。
実際にインストールしてみる
まずは仮想環境で正常に起動できるか確認しました。
以前の動画でVirtualBoxなどの仮想環境について解説しているため、今回は簡単な確認のみです。
起動してまず目に飛び込んでくるのが、ピンクを基調とした壁紙です。
Linuxディストリビューションの中でもかなり個性的なデザインで、Kamuriki LGXらしい世界観を感じます。
一通り動作を確認したところ問題なく動作したため、実機へのインストールを進めることにしました。
balenaEtcherでインストールUSBを作成
まず公式サイトからISOファイルをダウンロードします。
続いてbalenaEtcherを使用してインストールUSBを作成します。
手順は非常に簡単です。
- ISOファイルを選択
- USBメモリを選択
- Flashをクリック
これだけでインストールメディアを作成できます。
インストール手順
USBメモリから起動するとライブ環境が立ち上がります。
デスクトップが表示されるまでの時間もそれほど長くありません。
実際に表示されたデスクトップはかなり個性的です。
ピンクを基調としたデザインが特徴的で、最近のシンプル路線のLinuxとは異なる雰囲気を持っています。
インストーラーを起動すると、
- 言語設定
- タイムゾーン設定
- キーボードレイアウト設定
- ストレージ設定
- ユーザー作成
という一般的な流れで進みます。
今回の検証ポイント

今回確認するポイントは以下の4つです。
- 起動速度
- メモリ使用量
- 日本語環境
- 標準アプリ
再始動したKamuriki LGXが現在どのような完成度になっているのか、引き続き検証していきます。
まとめ

Kamuriki LGXは、一般的な初心者向けLinuxとは異なる立ち位置のディストリビューションです。
開発停止と思われた時期を乗り越え、現在はプロジェクトが再始動しています。
Debian Stableをベースにしながらも、開発者自身の思想や創作活動を色濃く反映した独特なLinuxと言えるでしょう。
WindowsからLinuxへ移行したい初心者向けというよりは、
「個性的なLinuxを試したい」
「日本発のLinuxプロジェクトを応援したい」
という人に向いているディストリビューションだと感じました。
今後予定されているVersion 5の開発にも注目していきたいと思います。



