WindowsはAI中心のOSへ ― Insider Preview Build 26300.8772から見えてきたこと、そしてLinuxはどうなる?

最近のMicrosoftの発表を追っていると、一つ大きな変化を感じます。

Windowsが、ただのOSから「AIを中心にしたOS」へと変わろうとしていることです。

「Copilot」という名前はもう何度も耳にしていると思いますが、「それって結局チャットボットでしょ?」と思っている方も多いのではないでしょうか。実はMicrosoftが目指している未来は、そんな単純な話ではありません。

今回は実際に Windows11 Insider Preview Build 26300.8772 をインストールし、画面を確認しながら、

  • Windowsはこれからどう変わっていくのか
  • AI時代でもLinuxは大丈夫なのか

この2点について、できるだけ分かりやすく解説していきます。古いパソコンを使っている方や、Linuxに興味がある方にも関係する内容です。

昔のWindowsと今のWindowsの違い

Windows95、XP、7、10——これまでのWindowsは、基本的に「アプリを起動するための土台」という役割でした。Windows自体が何かを「考えて」くれることはなく、ユーザーがマウスとキーボードで操作し、アプリがその指示に応じて動く。そういう関係だったわけです。

ところが今のWindows11は違います。Microsoftは、Windowsの中心にAIを置こうとしています。これは単なる機能追加ではなく、OSの設計思想そのものが変わろうとしているということです。

これまでは「人がOSを操作する」時代でしたが、これからは「人がAIに頼み、AIがOSを操作する」時代に近づいていく——そんな流れが見えてきます。

Insider Previewを実際に触ってみて

今回インストールしたWindows11 Insider Preview Build 26300.8772は、正式リリース前の「実験段階」のバージョンで、一般にはまだ配信されていない機能を先行して試せます。

一見すると、スタートメニューの見た目もタスクバーの配置も、普段使っているWindows11とほとんど変わりません。ですが細かく見ていくと、AIが使われる前提で設計されていることが分かります。

例えば設定画面。これまでのように「どこに設定があるかな」とメニューを一つずつ開いて探すのではなく、AIへ聞くという流れに変わりつつあります。「バッテリーの減りが早いんだけど」とAIに話しかけるだけで、関連する設定項目まで案内してくれる。そんな体験が少しずつ増えてきています。

つまり、検索から会話へ。これが今後のWindowsの大きな変化です。

Copilotが目指す「その先」

Copilotというと、ChatGPTのようなものと考える人も多いでしょう。文章を書いたり、質問に答えたり、要約やアイデア出しをしてもらったり——その使い方自体は間違っていません。

しかしMicrosoftが目指しているのは、もっと先にあります。「Bluetoothをオンにして」「音量を変更して」「設定を変更して」——そんな操作までAIが代わりに行う未来です。

設定アプリを開いて、該当する項目を探して、トグルスイッチを切り替える。そういった一連の「操作」そのものをAIに任せられるようになっていく。つまりアプリ単体ではなく、WindowsそのものがAIと一緒に動くようになっていく、ということです。

イメージとしては、秘書がパソコンの隣に座っていて、指示するとその場で操作してくれる、そんな感覚に近いかもしれません。もちろん現時点ではすべての操作がAI任せになるわけではなく、「本当にそこまで任せて大丈夫なのか」というセキュリティ面の議論も当然出てきます。このあたりは今後の実装を見ながら、改めて取り上げたいと思います。

Copilot+ PCと、古いパソコンはどうなるのか

ここで気になるのが、今使っているパソコンの扱いです。

最近よく聞く「Copilot+ PC」は、NPU(AI処理専用のプロセッサ)を搭載したパソコンのことです。CPUやGPUとは別に、AIの計算だけを効率よくこなすための部品とイメージしてもらえればと思います。AI処理を高速に行えるため、画面の内容を記録して後から検索できる機能や、リアルタイム翻訳機能など、一部の新機能はCopilot+ PC限定になります。

一方で、クラウド側で処理されるタイプのCopilot機能であれば、NPUを搭載していない「普通のパソコン」でも利用できます。つまり、古いパソコンが急に使えなくなるわけではありません。

ただし、今後はAI向けの機能が少しずつ増えていくのは間違いなく、「使えなくなる」のではなく「一部の便利な機能だけ使えない」という状態が、これから徐々に広がっていく——というのが実情に近いと思います。

LinuxはAI時代に取り残されるのか

「WindowsがAI中心になるなら、Linuxは取り残されるんじゃないか」——そう思う方もいるかもしれません。でも実は、LinuxもAIとは無関係ではなく、むしろ逆です。

AIサーバーの多くはLinuxで動いています。世界中のデータセンターにあるAIの計算基盤、その大部分がLinux上で稼働しているというのは、あまり知られていない事実かもしれません。Docker、Python、CUDAといったAI開発環境は、Linuxとの相性が非常に良いことで知られています。AIモデルを学習させるための環境構築では、Linux向けのドライバやライブラリが真っ先に、そして最も安定した形で提供されることがほとんどです。

つまり整理すると、

  • Windows:AIを「使う」方向へ進化。日常の作業の中でAIの恩恵を受けるための入り口として
  • Linux:AIを「作る」「動かす」ための環境として進化。AI開発・学習・サーバー運用という「裏側」を支える存在として

同じAIでも、役割がまったく違うんですね。

古いパソコンにとってのLinuxという選択肢

これまで、Windows11へアップグレードできないパソコンも数多く紹介してきました。TPM2.0に対応していない、CPUが古すぎて要件を満たせない——理由は様々ですが、そうしたパソコンは今も世の中にたくさん存在しています。

AI関連の機能が標準になればなるほど、こうした古いハードウェアとの差はこれまで以上に広がっていく可能性があります。

しかしLinuxならまだ十分使えます。インターネット、YouTube、Office、プログラミング、写真整理といった用途なら、まだまだ現役です。実際、軽量なLinuxディストリビューションを使えば、10年近く前のパソコンでもサクサク動くケースは珍しくありません。

  • AI機能が必要ならWindows
  • 長く快適に使いたいならLinux

そんな選択肢もこれから増えてくるでしょう。

まとめ:WindowsとLinuxは競争ではなく、別方向への進化

私自身は、WindowsもLinuxも使っています。仕事ではWindows、検証や開発ではLinuxと、用途によって使い分けています。

そして、WindowsがAI中心になればなるほど、Linuxの価値もさらに高くなると考えています。なぜなら、自分のパソコンの中で何が動いているのか、何が送信されているのか——そこまで把握し、コントロールしたいと考える人は、これからも必ずいるからです。自由に使えるOSを求める人にとって、Linuxという選択肢の重みは、むしろ増していくのではないでしょうか。

WindowsとLinuxは、競争するというより、それぞれ違う方向へ進化していく——今回Windows11 Insider Preview Build 26300.8772を触ってみて、改めてそう感じました。

皆さんは、これからもWindowsを使いますか? それともLinuxに興味がありますか?

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いつも使うから安く!と思っている方向け。

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