
Windows 10のサポート終了をきっかけに、「Linuxへ乗り換えようかな」と考えている方も増えてきました。
そこで今回は、FedoraとCachyOSを実際に使い比べ、Windowsユーザーが乗り換えるならどちらがおすすめなのかを検証しました。
ただ、その前に少しだけ触れておきたいことがあります。
UbuntuやLinux Mintがおすすめと言われる理由

WindowsからLinuxへ乗り換えるなら、
「Ubuntuがおすすめ」
「Linux Mintがおすすめ」
という意見をよく見かけます。
私も、この考え方には賛成です。
UbuntuとLinux Mintは長年にわたって初心者向けLinuxとして紹介され、多くのユーザーが安心して使ってきた実績があります。
初めてLinuxを使う方でも始めやすく、非常に完成度の高いディストリビューションです。
私自身もUbuntuやLinux Mintを長く使ってきましたし、このブログやYouTubeでも何度も紹介してきました。
そのため、WindowsからLinuxへ乗り換えるならUbuntuやLinux Mintという選択は、今でも十分おすすめできます。
最近はFedoraとCachyOSをよく見かけるようになった

しかし最近、海外のYouTubeやLinuxコミュニティを見ていると、少し流れが変わってきたように感じます。
以前よりもFedoraをメインで使う人が増え、
さらにArch Linux系ではCachyOSを使う人も非常によく見かけるようになりました。
実際、海外の技術系YouTuberにはFedoraユーザーが多く、最近では
「CachyOSはかなり快適」
という動画も数多く公開されています。
そこで気になりました。
Windowsユーザーが乗り換えるなら、本当に使いやすいのはどちらなのか。
そこで今回は、以前から使い続けているCachyOSと、Fedoraを1週間メイン環境として使い込み、実際の使い心地を比較してみました。
スペック表だけでは分からない、毎日使ったからこそ分かったことを紹介していきます。
今回比較するポイントは次の5つです。
- インストールのしやすさ
- 普段使いの快適さ
- ソフトウェアの導入
- アップデートの考え方
- AI時代との相性
検証環境
Fedora
- Core i5-6500
- メモリ16GB
- SSD 240GB
CachyOS
- Core i3-10105
- メモリ16GB
- M.2 SSD 256GB
どちらも一般家庭でも十分使われているスペックのデスクトップPCです。
それぞれクリーンインストールを行い、1週間ずつメイン環境として使用しました。
実際に行った作業は次のとおりです。
- ブラウジング
- YouTube視聴
- 資料作成
- USBメモリの利用
- プリンター設定
- Steamでのゲーム
Windowsユーザーが普段行う作業を中心に検証しています。
比較① インストールのしやすさ

Fedoraはとにかくシンプル
Fedoraのインストールは非常に分かりやすく、
インストール先を選択すると、そのままインストールが始まります。
余計な設定項目は後から行う仕組みになっているため、初心者でも迷いにくい印象でした。
インストール後に設定する内容は、
- タイムゾーン
- ユーザー名
- パスワード
程度です。
さらに、日本語を選んでインストールすると、日本語入力も最初から利用できました。
そのため、インストール直後からすぐ日本語で使い始められます。
Windowsから乗り換える方でも、大きな違和感はありませんでした。
CachyOSは自由度が高い
一方のCachyOSは、最初から選択肢が非常に豊富です。
例えば、
- KDE
- GNOME
- XFCE
- COSMIC
- Budgie
など好きなデスクトップ環境を選べます。
さらに、
- カーネル
- ファイルシステム
など細かな部分まで自分で選択できます。
自由度が高いのは大きな魅力ですが、Linux初心者は
「どれを選べばいいんだろう?」
と迷ってしまう場面もあるでしょう。
もちろん、おすすめ設定のまま進めれば問題ありません。
しかし、「考える項目が少ない」という意味ではFedoraの方が初心者向けだと感じました。
日本語入力は追加設定が必要
もう一つ注意したいのが、日本語入力です。
CachyOSではインストール直後は日本語入力が使えません。
そのため、
- Fcitx5
- Mozc
をインストールし、
設定画面からWaylandランチャーを有効にする必要があります。
一度設定してしまえば問題ありませんが、Linux初心者には少しハードルが高い印象でした。
インストールのしやすさはFedoraに軍配が上がります。
比較② 普段使いの快適さ

Fedoraは安定感が抜群
Fedoraでは、
- ブラウザ
- YouTube
- ChatGPT
- 資料作成
- USBメモリ
- プリンター
- Steam
まで、ほぼ何も考えずに利用できました。
特にプリンターは自動認識され、追加設定は不要でした。
アップデート後も不安になる場面はほとんどなく、
仕事で毎日使うなら非常に安心できるディストリビューションだと感じます。
CachyOSは軽くて楽しい
一方でCachyOSは、とにかくレスポンスが良好です。
- ブラウザ起動
- ファイルマネージャー
- アプリ起動
- 画面切り替え
どれもキビキビ動きます。
そして何より、
触っていて楽しい。
これが一番印象に残りました。
新しい機能を試したくなり、
カスタマイズもしたくなる。
Linuxらしい楽しさを感じられるディストリビューションです。
プリンターは追加設定が必要
ただし、プリンターだけは少し苦労しました。
Fedoraでは自動認識されましたが、
CachyOSでは
- CUPS
- Print Manager
などを追加でインストールする必要がありました。
一度設定すれば問題ありませんが、最初から何も考えず使えるわけではありません。
比較③ ソフトウェアの導入

Fedoraではソフトウェアストアから
- Microsoft Edge
- Google Chrome
- Visual Studio Code
などを比較的簡単にインストールできました。
Steamも利用できますが、RPM Fusion版を利用するのがおすすめです。
一方、CachyOSにはGUIで利用できるパッケージインストーラーが用意されています。
ターミナル操作に慣れていない初心者でも、画面から検索してソフトを導入できます。
さらにArch Linux系最大の魅力とも言えるAURが利用できます。
「このソフトあるかな?」
と思って検索すると、高い確率で見つかります。
Linuxを長く使うほど、この便利さを実感できるでしょう。
ただし、AURにはユーザーが管理しているパッケージも含まれています。
そのため、初心者はまず公式リポジトリを利用し、慣れてきたら必要に応じてAURを活用するのがおすすめです。
比較④ アップデート

この2つは考え方が大きく異なります。
Fedora
Fedoraは定期リリース型です。
一定期間ごとに新しいバージョンが公開されるため、更新タイミングが予測しやすく、安定性を重視した運用ができます。
CachyOS
CachyOSはローリングリリースです。
- カーネル
- ドライバー
- ソフトウェア
などが次々と最新になります。
最新環境を楽しみたい人には非常に魅力的ですが、その分アップデート内容には少し気を配る必要があります。
比較⑤ AI時代との相性

最近では、
- ChatGPT
- Claude
- Ollama
- LM Studio
などを利用する人も増えてきました。
Fedoraは開発環境との相性が非常によく、
特にPodmanやPython環境を整えやすいのが魅力です。
仕事でAIを活用する人にも安心できる環境でしょう。
一方、CachyOSは最新ライブラリをいち早く利用できます。
AIの世界は変化が非常に速いため、新しいツールをすぐ試したい方には大きなメリットがあります。
ただし、ChatGPTやClaudeをブラウザで利用するだけなら、両者に大きな違いはありません。
結論:Windowsユーザーにはどちらがおすすめ?

もし家族や友人から
「Linuxを初めて使ってみたい」
と相談されたら、私はFedoraをおすすめします。
その理由は、
- インストールが簡単
- 日本語入力が最初から利用できる
- 設定で迷いにくい
- 非常に安定している
- GUIだけでも十分使える
からです。
実際、今回の検証ではインストールからソフト導入、普段使いまで、一度もターミナルを使う必要はありませんでした。
一方で、
- Linuxをもっと楽しみたい
- 最新技術を試したい
- カスタマイズが好き
という方には、CachyOSがおすすめです。
自由度が高く、Linuxを触る楽しさを存分に味わえるディストリビューションでした。
まとめ
FedoraとCachyOSは、どちらも非常に優れたLinuxディストリビューションです。

しかし、どちらが優れているという話ではありません。
大切なのは、自分がLinuxに何を求めるかです。
仕事で安定した環境を使いたいのか。
それとも趣味としてLinuxそのものを楽しみたいのか。
その目的によって、選ぶべきディストリビューションは変わってきます。
これからWindowsからLinuxへの乗り換えを考えている方は、ぜひ今回の比較を参考に、自分に合ったLinuxを選んでみてください。



