
Windows 10のサポート終了が近づき、Linuxへの乗り換えを検討している方も増えてきました。
以前、当ブログではFedora KDEを実際にインストールし、Windowsユーザーでも使いやすいのかを検証しました。想像以上に簡単で、「これならLinuxへ乗り換えられそう」と感じた方も多かったのではないでしょうか。
そんなFedoraを使っている中で、気になるLinuxディストリビューションを見つけました。
それがUltramarine KDEです。
UltramarineはFedoraをベースにしながら、初心者が最初につまずきやすい部分をあらかじめ設定してくれているディストリビューションです。
そこで今回は、
- Fedora KDEをそのまま使うべきなのか
- 初心者向けに調整されたUltramarine KDEを選ぶべきなのか
WindowsからLinuxへ乗り換える人の目線で、「最初の1時間」の使いやすさを中心に比較していきます。
今回比較する2つのディストリビューション

Fedora KDE
Fedora KDEはFedora Projectが提供する公式のKDEエディションです。
余計なカスタマイズが加えられておらず、本家Fedoraの環境をそのまま利用できます。
シンプルな構成なので、自分好みに環境を作っていきたい人に向いています。

Ultramarine KDE
一方のUltramarine KDEは、Fedoraをベースにした初心者向けディストリビューションです。
Fedoraの良さはそのままに、初期設定やソフトウェア環境をあらかじめ整えているため、Windowsユーザーでも迷わず使い始められるよう工夫されています。
比較するポイント

今回は次のポイントを比較しました。
- インストールのしやすさ
- 初回セットアップ
- 日本語入力
- 日本語化
- ソフトのインストール
- Steam
- Microsoft Edge
- Visual Studio Code
- LibreOffice
- アップデート方法
- ターミナルは必要なのか
つまり、
Windowsから乗り換えた人が、最初の1時間をどちらが快適に過ごせるのか
という視点で検証しています。
インストールを比較
Fedora KDEについては前回詳しく紹介したため、今回はUltramarine KDEのインストールを行いました。
まずは公式サイトからKDE版のISOファイルをダウンロードします。
→ https://ultramarine-linux.org/
ISOファイルをVentoyを導入したUSBメモリへコピーし、USBメモリからパソコンを起動します。
VentoyのメニューからUltramarineを選択するとライブ環境が起動します。
その後は「Install to Hard Drive」をクリックし、日本語を選択してインストールを進めるだけです。
- ディスク全体を使用
- 暗号化は不要ならオフ
- 確認画面で内容を確認
という流れで簡単にインストールできました。
インストール時間もFedora KDEとほぼ同じです。
Fedoraから移行する方法も用意されている

すでにFedora KDEを使っている場合は、再インストールする必要はありません。
Ultramarine公式サイトには、FedoraからUltramarineへ移行するためのコマンドが公開されており、そのまま環境を移行することもできます。
初回セットアップ
インストール後は初期セットアップが始まります。
設定する内容は次のとおりです。
- 言語
- キーボード
- ホスト名
- ユーザー名
- パスワード
- ネットワーク
- コーデックとデバイスドライバー
- 日本語入力(Mozc)
セットアップ画面は非常に分かりやすく、画面の案内に従って進めるだけで完了します。
Fedoraとの違い
Fedora KDEは必要最低限の構成です。
一方、Ultramarine KDEは最初から使いやすいように調整されており、
「次に何を設定すればいいのか」
が分かりやすく案内されます。
Windowsから初めてLinuxへ乗り換える方には、この安心感は大きなメリットでしょう。
日本語入力
どちらも日本語入力は簡単に利用できますが、最初に少しだけ設定が必要でした。
Fedora KDE
設定画面から
仮想キーボード → iBus Wayland
を選択します。
Ultramarine KDE
セットアップ時に
- iBus Wayland
- Fcitx5 Wayland Launcher
のどちらかを選択できます。
設定は一度だけで完了し、数分で日本語入力が利用できるようになりました。
LibreOfficeは日本語パックが必要
デスクトップや設定画面は最初から日本語ですが、
LibreOfficeはFedora KDE、Ultramarine KDEともに英語表示でした。
日本語化するには、日本語パックをインストールする必要があります。
今回だけはターミナルを利用しましたが、実行するコマンドは1つだけです。
■LibreOffice日本語化
sudo dnf install libreoffice-langpack-ja
インストール後にLibreOfficeを再起動すると、メニューも日本語表示になります。
この点については両ディストリビューションで違いはありませんでした。
ソフトのインストール
ここから違いが見えてきます。
Fedora KDE
Fedoraでは
- Microsoft Edge
- Google Chrome
- Steam
などを利用する際に、
FlathubやRPM Fusionの設定が必要になります。
難しい作業ではありませんが、初心者は
「なぜ最初に設定が必要なの?」
と感じるかもしれません。
Ultramarine KDE
Ultramarineでは最初から環境が整っています。
ソフトウェアセンターで検索してインストールするだけなので、
Windowsに近い感覚で利用できます。
初心者には非常に分かりやすい構成です。
Microsoft Edge
Microsoft Edgeも問題なくインストールできました。
Ultramarineでは必要な環境が最初から整っているため、Fedoraよりスムーズに導入できます。
Visual Studio Code
Visual Studio Codeも問題なく利用できます。
プログラミング用途でも十分実用的です。
Steam
Steamは初心者が最も迷いやすいポイントです。
FedoraではRPM Fusionを設定するケースが多くあります。
一方、Ultramarineではゲーム用途も考慮されているため、Steamの導入まで非常にスムーズでした。
ゲーム目的ならUltramarineの方が始めやすいでしょう。
アップデート
アップデートはDiscoverから実行できます。
Windows Updateのような感覚で操作できるため、初心者でも迷うことはありません。
もちろんターミナルから更新することも可能です。
ターミナルは必要?
多くの方が気になるポイントでしょう。
結論から言うと、
普段使いなら、ほとんどGUIだけで完結しました。
- ソフトのインストール
- アップデート
- 設定変更
これらはGUIだけで操作できます。
今回ターミナルを利用したのは、
LibreOfficeの日本語パックをインストールした時だけでした。
つまり、Windowsから初めてLinuxへ乗り換える方でも、最初からターミナルを覚えなければ使えないということはありません。
比較した感想

今回比較して感じたのは、
どちらも非常に完成度の高いディストリビューションだということです。
Fedora KDEは、本家ならではのシンプルさと安心感があります。
一方、Ultramarine KDEはFedoraの良さをそのままに、
初心者が困りそうな部分を最初から解決してくれています。
そのため、
Windowsから乗り換えて最初の1時間を、できるだけ迷わず快適に過ごしたいのであれば、Ultramarine KDEの方がおすすめです。
もちろん、一度環境が整ってしまえば、どちらも快適に利用できます。
しかし、初期設定やソフトの導入まで含めた「最初の1時間」という視点では、Ultramarine KDEの方が初心者に優しいと感じました。
KDEはカスタマイズも魅力
以前の動画では、
「KDEは見た目を自由にカスタマイズできるのが魅力」
というコメントをいただきました。
そこで今回は、Windowsユーザーでも簡単にできる設定だけでデスクトップをカスタマイズしてみました。
インストール直後と比較すると、壁紙やテーマ、アイコン、パネルを少し変更するだけでも印象は大きく変わります。
シンプルなまま使うのも良いですし、自分好みのデスクトップを作って楽しめるのもKDEならではの魅力です。
まとめ

WindowsからLinuxへ乗り換える人の目線で、「最初の1時間」を比較した結果、
- Linuxにある程度慣れている人にはFedora KDE
- Windowsから初めてLinuxへ乗り換える人にはUltramarine KDE
をおすすめします。
どちらも完成度は非常に高く、日常利用には十分な性能を備えています。
ただし、最初の設定やソフトの導入で迷いたくないのであれば、Ultramarine KDEが一歩リードしていると感じました。
WindowsからLinuxへの乗り換えを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。



