
ここ数年、パソコンを買うときによく聞く言葉があります。
「メモリは最低でも16GB」
「8GBはもう厳しい」
「これからは32GBが必要」
家電量販店やネットの記事、YouTubeでも、こうした話を目にする機会が増えました。
私自身もこれまで動画の中で、「今から買うなら16GBがおすすめ」と話してきました。

ところが2026年、Microsoftから非常に気になる動きが出てきました。
それが、8GBメモリのパソコンでもWindows 11をより快適に動かせるよう、メモリ使用量の最適化を進めるというものです。
MicrosoftのWindows担当コーポレートバイスプレジデント、Marcus Ash氏は、Windowsのメモリフットプリントを減らす取り組みについて説明しています。Microsoftは2026年中の改善として、8GBクラスのPCでもより快適に動作するよう、OS全体のメモリ使用を見直していく方針を示しています。

「えっ、8GBはもう古いんじゃなかったの?」
「16GBが最低ラインじゃなかったの?」
そう思う人もいるでしょう。
しかも、さらに話をややこしくするのが、Microsoftが32GBを推奨する場面もあることです。
8GBを快適にする一方で、32GBを推奨する。
いったい、どちらが正しいのでしょうか。

今回は実際に8GBのパソコンを使い、
- 8GBでも現在のWindowsは使えるのか
- どこまで負荷をかけると厳しくなるのか
- 8GB・16GB・32GBのどれを選べばいいのか
を整理していきます。
Microsoftはなぜ8GBのWindowsを最適化するのか?

まずは、今回の話のきっかけになったMicrosoftの動きから見ていきましょう。
Microsoftは、Windows 11のメモリ使用量を減らし、8GB程度のメモリを搭載したPCでも、より快適に動作するよう改善を進めています。
単純に「メモリを増やしてください」という方向ではなく、Windowsそのものを効率化するという考え方です。Windows Centralによると、OSのUIからカーネル、ドライバー、プリロードされるアプリなど、ソフトウェア全体を対象にメモリ使用量を見直しているとされています。
これはかなり興味深い話です。
なぜなら、ここ数年は、
「Windows 11は重い」
「8GBでは厳しい」
という声が増えていたからです。
では、なぜMicrosoftは今になって8GB環境の最適化を進めるのでしょうか。
8GBのWindowsパソコンは、今でもたくさん使われている
理由の一つは、現在でも8GBのWindowsパソコンが数多く存在しているからです。
8GBメモリのノートパソコンは、現在でも販売されています。
大きな理由は価格です。
メモリ容量を8GBに抑えれば、比較的安価なパソコンを作ることができます。
そして、
- Webサイトを見る
- YouTubeを見る
- メールをする
- Officeを使う
といった一般的な用途なら、8GBでも使えるケースがあります。
Microsoftからすれば、
「8GBのパソコンを全部16GBに買い替えてください」
というより、
「今使われている8GBパソコンでも、Windowsをできるだけ快適にする」
ほうが現実的です。
だからこそ、Windowsそのものを軽くする方向へ進んでいると考えられます。
では、Microsoftは32GBを推奨していないの?
ここで、
「でもMicrosoftは32GBを推奨しているんじゃないの?」
と思う人もいるでしょう。
これも正しい話です。

実際、MicrosoftのWindows向けゲーミング情報では、16GBを実用的なスタートラインとし、32GBを「no worries」なアップグレードとして説明する内容が一時的に掲載されていました。
その後、このページは削除されたことが報じられています。
ただし、ここで重要なのは、これは主にゲーミングPCについての話だということです。
つまり、
「Microsoftが32GBを推奨している」
ことと、
「すべての人に32GBが必要」
ということは同じではありません。
対象が違うわけです。
32GBが必要になりやすいのは、どんな人?
例えば、次のような作業をする場合です。
- AI開発
- Visual Studio Codeなどを使った開発
- Docker
- 仮想マシン
- ゲーム開発
- 動画編集
- 高負荷なゲーム
- ローカルAI
こうした作業では、大量のメモリを使用することがあります。
特に最近注目されているのが「ローカルAI」です。
AIをパソコン上で動かす場合、モデルや関連データをPC側で処理する必要があります。
そのため、8GBではかなり厳しくなるケースがあり、16GBでも余裕がない場合があります。
こうした用途では、32GB以上を検討する意味が出てきます。
「AIを使う」と「AIをパソコンで動かす」は違う

ここは意外と重要なポイントです。
例えば、ChatGPTをブラウザで使うだけなら、必ずしも32GBが必要になるわけではありません。
ChatGPTの処理の多くはクラウド側で行われるためです。
一方で、
- 自分のパソコンでAIモデルを動かす
- 画像生成AIをローカルで動かす
- ローカルLLMを動かす
といった用途では、必要なメモリ容量が大きく変わってきます。
つまり、
「AIを使うから32GB」ではなく、「AIをPC上で動かすから32GB以上が必要になることがある」
ということです。
この違いは覚えておきたいところです。
大まかに考えると、
8GB=一般的な日常用途
16GB=一般用途+少し余裕が必要な作業
32GB=AI・開発・動画編集・ゲームなどの高負荷用途
というイメージになります。
実際に8GBのWindowsパソコンを使ってみた

では、本当に8GBのWindowsパソコンはもう厳しいのでしょうか。
ニュースやスペック表だけでは分かりません。
そこで、実際に8GBのパソコンを使って検証してみました。
まずWindowsを起動し、何も操作していない状態でタスクマネージャーを確認します。
今回の環境では、Windowsを起動しただけの状態でメモリ使用量は約3.1GBでした。
ここを基準にします。
次に、普段のパソコン作業に近づけていきます。
Chromeを起動。
YouTubeを再生。
さらにChatGPTを開きます。
Office系のソフトも起動します。
そして、単純にメモリ使用量を見るだけではなく、
- アプリを切り替えたときに遅くならないか
- Chromeのタブを増やすとどうなるか
- YouTubeを再生しながら別の作業ができるか
といった実際の操作感も確認します。
8GBでも、普通の作業なら意外と使える
実際に8GBのパソコンを使ってみると、あることに気付きます。
Webを見る。
YouTubeを見る。
Officeを使う。
このくらいなら、8GBでも意外と普通に使えます。
もちろん、16GBと比べれば余裕はありません。
しかし、
「8GBだから何もできない」
というわけではありません。
今回の検証では、こうした一般的な作業を行った状態でメモリ使用量は約4.3GBでした。
これは8GBの容量に対して、まだ余裕が残っている状態です。
ただし、負荷を増やすと8GBの限界が見えてくる
そこで、さらに負荷をかけてみます。
ブラウザのタブを増やしていきます。
8枚。
15枚。
さらにYouTubeを再生しながら、Officeも使います。
こうやってアプリやタブを増やしていくと、徐々に8GBの余裕がなくなってきます。
そして、
- アプリを切り替えたときに少し待たされる
- ブラウザのタブを切り替えると再読み込みが発生する
- ストレージへのアクセスが増える
といった現象が出てきます。
ここまで来ると、
「やっぱり16GBが欲しい」
と感じます。
つまり、8GBがダメなのではありません。
使うアプリや作業量が増えると、8GBでは余裕がなくなる。
これが実際のところです。
メモリ使用量が多い=すぐに問題、ではない
ここで一つ注意があります。
タスクマネージャーを見て、
「メモリを6GB使っている!」
と表示されたからといって、それだけでWindowsが重いとは限りません。
Windowsは、空いているメモリをキャッシュなどに利用することがあります。
そのため、メモリ使用量が多いこと自体が、必ずしも悪いわけではありません。
重要なのは、
メモリが足りなくなってストレージへの退避が増えているか。
そして、
実際に操作が重くなっているか。
この2つです。
だから今回の検証でも、単純に「何GB使っている」という数字だけではなく、実際の操作感も確認しました。
8GBのWindowsが重いなら、Linuxという選択肢もある
そして、ここからがこのブログ・チャンネルらしいところです。
もし8GBのWindowsパソコンを使っていて、
「ちょっと重いな」
と感じたら、パソコンを買い替える以外にも方法があります。
それがLinuxです。
Linuxにはさまざまなディストリビューションやデスクトップ環境があります。
例えば、
- Fedora KDE
- Linux Mint
- Zorin OS
- CachyOS
などです。
もちろん、
Linuxなら何でも軽い
というわけではありません。
デスクトップ環境によって必要なメモリも変わります。
また、Windows専用ソフトが使えないなど、別の問題もあります。
それでも、
同じ8GBのパソコンをOSを変えるだけで、もう一度活用できる可能性がある
というのは、Linuxの面白いところです。
8GBを少しでも快適に使う方法

8GBのパソコンを使い続けるなら、使い方を少し見直すだけでも違いが出ます。
ブラウザのタブを開きすぎない
ChromeやEdgeでタブを10個、20個と開いていると、それだけでメモリを消費します。
使っていないタブを閉じる。
タブを開きすぎない。
これだけでも8GB環境では違いが出ます。
バックグラウンドアプリを見直す
Windowsを起動すると、自分では起動したつもりのないアプリが裏側で動いていることがあります。
スタートアップを確認して、必要のないアプリを減らすだけでも、メモリに余裕を作ることができます。
すべてのアプリを同時に起動しない
これも重要です。
ブラウザで大量のタブを開いて、
YouTubeを再生しながら、
Officeを起動して、
さらに画像編集ソフトまで動かす。
こうなると、8GBではさすがに厳しくなってきます。
逆に、
- 今必要なアプリだけを使う
- 作業が終わったら閉じる
- タブを整理する
といった使い方をするだけでも、8GBのパソコンは意外と普通に使えます。
Windowsが軽くなっても、8GBが万能になるわけではない

Microsoftが8GB向けの最適化を進めれば、今後Windows 11がもう少し軽くなる可能性があります。
これは8GBパソコンを使っている人にとって嬉しいニュースです。
ただし、ここで冷静に考える必要があります。
Windowsが軽くなったとしても、普段使うアプリまで軽くなるとは限りません。
Chrome、Teams、ゲーム、動画編集ソフト、AI関連のアプリなどは、今後さらに高機能になる可能性があります。
つまり、
Windowsが軽くなれば8GBで十分になる
という単純な話ではありません。
MicrosoftがOSを軽くしても、アプリが重くなれば、またメモリが必要になります。
だから、
「8GBが復活する」というより、「8GBでも、もう少し長く使えるようになる」
くらいに考えておくのがいいでしょう。
これからパソコンを買うなら何GBがおすすめ?

では、これからパソコンを買うなら、何GBを選べばいいのでしょうか。
私なら、次のように考えます。
8GBは「すでに持っているなら活用する」
Web閲覧、
YouTube、
メール、
軽いOffice。
こういった用途なら、8GBでもまだ使えるケースがあります。
すでに8GBのパソコンを持っているなら、
「8GBだから」という理由だけで急いで買い替える必要はありません。
Windowsの今後の最適化もありますし、Linuxという選択肢もあります。
これから買うなら16GBがおすすめ
今から一般的なパソコンを買うなら、私は16GBをおすすめします。
例えば、
- Web閲覧
- Office
- YouTube
- 画像編集
- 軽いゲーム
- 複数のアプリを同時に使う
といった用途なら、16GBはバランスの良い容量です。
価格と性能のバランスを考えると、現在もっともおすすめしやすい容量だと考えています。
32GBは高負荷作業をする人向け
一方、32GBを検討したいのは、
- 動画編集
- 高負荷なゲーム
- 開発
- Docker
- 仮想マシン
- ローカルAI
など、メモリを大量に使う人です。
将来を考えて、余裕を持って32GBを選ぶという考え方も悪くありません。
ただし、ここは十分に考える必要があります。
ネットとYouTubeが中心なら、32GBにしても、その性能を十分に活かせない可能性があります。
メモリは多ければ多いほどいいというわけではありません。
自分の使い方に合った容量を選ぶことが大切です。
8GB・16GB・32GB、結局どれがいい?

今回の話をまとめます。
Microsoftは現在、Windows 11のメモリ使用量を見直し、8GBクラスのPCでもより快適に動作するよう最適化を進めています。
一方で、AI開発や動画編集、ゲーム開発、仮想マシン、ローカルAIなど、高負荷な用途では32GB以上が必要になることがあります。
そして実際に8GBのパソコンを使ってみると、
Web閲覧、
YouTube、
Office、
メール、
といった一般的な作業なら、まだ十分使えることが分かります。
ただし、大量のブラウザタブを開いたり、複数のアプリを同時に動かしたり、動画編集などの負荷が高い作業をすると、8GBでは余裕がなくなってきます。
だから、
8GBはダメ
16GBなら安心
32GBなら最強
という単純な話ではありません。
一番大切なのは、
「そのパソコンで何をするのか」
です。
私ならこう選びます
これからパソコンを買うなら、
一般用途 → 16GB
重い作業 → 32GB
を基本に考えます。
そして、今8GBのパソコンを持っているなら、
すぐに買い替えず、まずはそのまま使ってみる。
Windowsの今後の最適化を待つ。
それでも重ければ、Linuxを試してみる。
こうした選択肢もあります。



