
今回は、Windows 11 24H2の要件を満たしていないパソコンを、有効化パッケージだけで25H2へアップデートできるのか、実際に検証してみました。
結論から言うと、今回用意した検証環境では、要件外PCでも24H2から25H2へ移行することができました。
しかも、ISOファイルを使った大規模なアップデートではありません。
有効化パッケージをインストールして、パソコンを再起動するという、比較的シンプルな方法です。
ただし、これは「要件外PCでもWindows 11が正式サポートされる」という話ではありません。
今回は、その点も含めて詳しく紹介します。
Windows 11が24H2のまま止まっているPC

最近、お客様からお預かりするパソコンを見ていると、少し気になることがあります。
それは、Windows 11がインストールされているのに、24H2のまま止まっているパソコンが意外と多いことです。
さらに中には、
「このパソコン、Windows 11の要件を満たしていないよね?」
というパソコンもあります。
お客様からお預かりしたパソコンをそのまま紹介することはできないため、今回は検証用のパソコンを用意しました。
今回の検証環境

今回使用するのはこちらのパソコンです。
- CPU:Core i5-5200U
- メモリ:4GB
- ストレージ:M.2 SSD 128GB
- OS:Windows 11 24H2
かなり古いパソコンです。
もちろん、搭載されているCore i5-5200UはWindows 11の正式な対応CPUではありません。
このパソコンに、すでにWindows 11 24H2をインストールした状態から検証をスタートします。
ここで気になるのが、
「この状態から25H2へアップデートできるのか?」
ということです。
Windows 11 24H2は2026年10月にサポート終了予定

現在、Windows 11には25H2があります。
一方、24H2は2026年10月にサポート終了を迎える予定です。
そのため、24H2のまま使い続けるよりも、可能であれば25H2へ移行しておきたいところです。
ところが、ここで問題があります。
要件外PCでは25H2がWindows Updateに表示されないことがある

通常、Windows 11の要件を満たしているパソコンであれば、Windows Updateを確認すると25H2が表示されます。
25H2が表示されたら、通常のWindows Updateと同じようにダウンロードしてインストールできます。
つまり、対応しているパソコンなら、特別な操作をしなくてもWindows Updateから25H2へ移行できます。
ところが今回のような要件外PCでは、Windows Updateを確認しても25H2が表示されない場合があります。
そこで今回注目したのが、
「有効化パッケージ」
です。
有効化パッケージとは?

そもそも、有効化パッケージとは何なのでしょうか。
Windows 11の24H2と25H2は、実は共通のコアOSと同じシステムファイルを使用しています。
25H2の新機能についても、24H2の最新の更新プログラムの中に、すでに含まれています。
ただし、それらの機能がまだ有効になっていない場合があります。
そこで登場するのが有効化パッケージです。
Microsoftの説明では、このパッケージは25H2の機能を有効にする、いわば「マスタースイッチ」のようなものです。
イメージとしては、
24H2
↓
25H2の機能はすでに存在
↓
有効化パッケージ
↓
25H2の機能をON
という感じです。
そのため、24H2から25H2への移行を、基本的に1回の再起動で行うことができます。
大規模なOSの入れ替えをするというより、すでに入っている25H2の機能を有効化するというイメージです。
使用するのはKB5054156
今回使用するのが、KB5054156です。
これはWindows 11 25H2の有効化パッケージです。
今回はMicrosoft Update Catalogからパッケージを入手して使用します。
実際に試してみます。
■KB5054156: enablement パッケージを使用
https://support.microsoft.com/ja-JP/servicing/os/windows/docs/2025/02/kb5054156-feature-update-to-windows-11-version-25h2-by-using-an-enablement-package
■Microsoftの配布サーバーにあるKB5054156の直接ダウンロードリンク
https://catalog.sf.dl.delivery.mp.microsoft.com/filestreamingservice/files/fa84cc49-18b2-4c26-b389-90c96e6ae0d2/public/windows11.0-kb5054156-x64_a0c1638cbcf4cf33dbe9a5bef69db374b4786974.msu
いきなり有効化パッケージをインストールするわけではない

ただし、ここで注意が必要です。
いきなりKB5054156をインストールすればいいわけではありません。
Microsoftの説明を見ると、有効化パッケージを利用するためには、いくつかの条件があります。
まず、Windows 11 24H2であること。
そして、
2025年8月29日のKB5064081、OS Build 26100.5074、またはそれ以降の累積更新プログラムがインストールされていること
が条件になります。
そこで、まず現在のバージョンを確認します。
まずWindows 11のバージョンを確認
検索窓に、
winver
と入力します。
すると「Windowsのバージョン情報」が表示されます。
今回の検証用パソコンは、
Windows 11 Version 24H2
そして、
OSビルド 26100.2033
となっていました。
このままでは条件を満たしていません。
そこで、もう一つ確認しておきたいのがWindows Updateです。
Windows Updateを最新の状態にする
Windows Updateを開き、最新の更新プログラムを適用します。
今回も更新を進めて、最新の状態にしました。
これで、有効化パッケージをインストールする準備が整いました。
KB5054156をインストール
準備ができたら、ダウンロードしておいたKB5054156のMSUファイルをダブルクリックします。
すると、Windows Updateスタンドアロンインストーラーが起動します。
ここで、
「この更新プログラムをインストールしますか?」
という形で確認が表示されるので、インストールを進めます。
今回のポイントは、Windows 11 25H2のISOファイルを使わないことです。
USBメモリから起動することもありません。
Windowsを再インストールするわけでもありません。
あくまで、
24H2に有効化パッケージを追加する
という方法です。
インストールはわずか10秒ほど
果たしてインストールできるのかと思っていたところ、無事にインストールが完了しました。
しかも、今回の環境ではわずか10秒ほどでした。
ここでパソコンを再起動します。
通常の大型アップデートなら、かなり長い時間がかかることがあります。
ところが今回は、有効化パッケージによる更新です。
基本的には、1回の再起動で25H2へ移行する仕組みです。
再起動後、本当に25H2になったのか?
再起動が終わりました。
では、本当に25H2になったのでしょうか。
もう一度、
winver
を実行して確認します。
すると、
Windows 11 Version 25H2
と表示されました。
見事に25H2になっています。
つまり今回の検証では、Windows 11の正式な要件を満たしていないパソコンでも、有効化パッケージを使って24H2から25H2へ移行できました。
25H2になったから「対応PC」になったわけではない

ただし、ここは非常に重要です。
25H2になったからといって、このパソコンがWindows 11の対応PCになったという意味ではありません。
もちろん、CPUが対応CPUになったわけでもありません。
今回のパソコンはCore i5-5200Uです。
25H2にしたからといって、このCPUがWindows 11の正式対応CPUになるわけではありません。
また、
「メモリ4GBでもWindows 11の推奨スペックになった」
という意味でもありません。
あくまで今回確認できたのは、
Windows 11がすでにインストールされている要件外PCから、25H2へ移行できた
ということです。
Microsoftが要件外PCを正式にサポートしているという意味ではありません。
ここはしっかり区別しておく必要があります。
25H2にした後の動作はどうなのか?
では、25H2になったことで、パソコンの動作はどうでしょうか。
まず、エクスプローラーを開いてみます。
スタートメニューも確認します。
インターネットも確認します。
そして、普段使っているアプリも起動してみます。
今回の検証では、基本的な操作やアプリの起動について、大きな問題はありませんでした。
そもそも24H2と25H2は、大きくOSが入れ替わるようなアップデートではありません。
共通のコアOSを使用しているため、基本的な操作感や動作については24H2と25H2で大きく変わりません。
そのため、24H2から25H2にしたからといって、突然パソコンの操作方法が大きく変わるようなものではありません。
ただし、メモリ4GBはかなり厳しい
そして、ここでもう一つ気になるのがメモリ4GBです。
Windows 11をメモリ4GBで使うのは、かなり厳しい容量です。
そこでタスクマネージャーを開いて、メモリ使用量も確認してみます。
やはり、このパソコンでWindows 11を使い続けるのであれば、性能面ではかなり厳しい部分があります。
つまり、
「25H2にできた」ことと「快適に使える」ことは別問題
ということです。
今回の検証結果

今回は、Windows 11 24H2の要件外PCを、25H2の有効化パッケージだけでアップデートできるのかを検証しました。
結果は、
今回の検証環境では、25H2へアップデートすることができました。
しかも、ISOファイルを使った大規模なアップデートではありません。
有効化パッケージをインストール
↓
再起動
という、比較的シンプルな方法でした。
ただし、すべての要件外PCで同じ結果になるとは限りません。
パソコンの構成やWindowsの状態によって結果が変わる可能性があります。
また、今回のパソコンはWindows 11の要件外PCです。
そのため、Microsoftによる正式なサポート対象外であることも忘れてはいけません。
次のWindows 11、26H2ではどうなる?
そして、もう一つ気になることがあります。
それが、
「この先」です。
Windows 11 24H2から25H2へは、今回の方法でアップデートできました。
では、次のWindows 11、26H2になったときはどうなるのでしょうか?
今回の25H2では、有効化パッケージによって24H2から比較的簡単に25H2へ移行できました。
もし26H2でも同じような仕組みが採用されるのであれば、
26H2でも有効化パッケージが配布され、比較的簡単にアップデートできる可能性があります。
ただし、これは現時点では確定した情報ではありません。
26H2が実際にどのような提供方法になるのかは、今後のMicrosoftの発表や実際の提供状況を確認する必要があります。
このPCは26H2にもアップデートできるのか?

今回使用したのは、
Core i5-5200U
そして、
メモリ4GB
という、かなり古いパソコンです。
このパソコンでも、25H2には移行できました。
では、
このPCは26H2へもアップデートできるのでしょうか?
これは、実際に26H2が登場したら、ぜひ検証してみたいと思います。
25H2と同じように有効化パッケージが提供されるのか。
そして、要件外PCでも同じように移行できるのか。
今後のWindows 11のアップデートで、非常に気になるところです。
まとめ
今回は、Windows 11 24H2の要件外PCを、25H2の有効化パッケージだけでアップデートできるのかを検証しました。
今回の検証環境では、24H2から25H2への移行に成功しました。
しかも、ISOファイルを使った大規模なアップデートではなく、
有効化パッケージをインストールして再起動する
という比較的シンプルな方法でした。
ただし、重要なのはここからです。
25H2へ移行できた=Windows 11の正式対応PCになった
ということではありません。
要件外PCであることに変わりはなく、Microsoftの正式なサポート対象になったわけでもありません。
また、すべての要件外PCで同じ結果になる保証もありません。
今回の結果は、あくまで今回用意した検証環境で確認できた結果として捉えてください。
そして次に気になるのがWindows 11 26H2です。
もし25H2と同じような仕組みが採用されれば、26H2でも有効化パッケージによって比較的簡単にアップデートできる可能性があります。
このCore i5-5200U・メモリ4GBのパソコンは、26H2でも生き残れるのか。
26H2が登場したら、こちらも実際に検証してみたいと思います。



