
SSDを交換したいけれど、
「Windowsの再インストールは面倒……」
「今使っているアプリや設定も、そのまま移したい」
「できればクローンソフトにお金をかけたくない」
そんなときに便利なのが、ストレージのクローンです。
今回は、無料で利用できるクローンツールのClonezilla(クローンジラ)とRescuezilla(レスキュージラ)を実際に使い、現在Windowsが入っているSSDから新しいM.2 SSDへクローンしてみました。
実際のパソコンを使って、USBメモリの作成からクローン作業、そしてクローン後のWindows起動まで検証します。
そもそも「クローン」とは?

まず、「クローンって何?」と思う方もいるかもしれません。
クローンとは、現在使っているストレージの中身を、別のストレージへ丸ごとコピーすることです。
例えば、現在使っているSSDに、
- Windows
- インストールしたアプリ
- 写真や動画などのファイル
- 各種設定
などが入っているとします。
このSSDを新しいSSDへクローンすると、これらの環境をまとめて新しいストレージへ移すことができます。
つまり、Windowsを新しくインストールし直したり、アプリを一つずつ入れ直したりするのではなく、今まで使っていたパソコン環境を新しいSSDでもできるだけそのまま使えるようにするのがクローンです。
クローンはどんなときに便利?

クローンは、例えば次のような場面で役立ちます。
- 古いSSDがそろそろ心配
- より容量の大きいSSDへ交換したい
- SATA SSDからM.2 SSDへ変更したい
- Windowsを再インストールせずにストレージを交換したい
特に、現在のWindows環境をそのまま新しいストレージへ移したい場合には便利な方法です。
クローンソフトが有料化しているケースも

ところが、クローン作業に使うソフトについて、少し気になることがあります。
以前は無料で利用できたクローンソフトでも、現在では、
- 無料版では機能が制限されている
- クローン機能が有料になっている
- より上位の機能を使うには有料版が必要
といったケースがあります。
「SSDを交換したいだけなのに、クローンソフトにもお金がかかるの?」
と思ってしまいますよね。
もちろん、有料ソフトには操作が分かりやすかったり、便利な機能が用意されていたりするメリットがあります。
それでも、
「できれば無料でクローンしたい」
という方も多いのではないでしょうか。
SSDメーカーがクローンソフトを提供している場合も

ちなみに、SSDのメーカーによっては、自社製SSDを購入した場合に、クローン用のソフトを無料で提供していることがあります。
そのため、新しいSSDを購入する前に、SSDメーカーが専用のクローンソフトを提供していないか確認してみるのもおすすめです。
メーカーによっては、専用ソフトを使って現在のSSDから新しいSSDへWindows環境を移行できます。
ただし、メーカーによっては、
自社製SSDがクローン先になっていること
などが利用条件になっている場合があります。
実際に利用するときは、メーカーの公式サイトで条件を確認しておきましょう。

今回はClonezillaとRescuezillaを検証
そこで今回は、無料で利用できるクローンツール、
Clonezilla
→ https://clonezilla.org/downloads.php
そして、
Rescuezilla
→ https://rescuezilla.com/download
この2つを実際に使って、SSDからM.2 SSDへのクローンを試してみます。
単にクローンができるかだけではなく、
- クローンの準備
- USBメモリからの起動
- クローンの設定
- コピー元・コピー先の選択
- クローン作業
- クローン後のWindows起動
- ファイルやアプリの確認
まで、実際の画面を見ながら検証します。
果たして、ClonezillaとRescuezillaでは、どちらが使いやすいのでしょうか。
今回の検証環境
今回使用したパソコンはこちらです。
CPU:Intel Core i3-10105
メモリ:16GB
コピー元:256GB SSD
コピー先:256GB M.2 SSD
今回は、現在Windowsが入っている256GB SSDをコピー元にして、256GBのM.2 SSDへクローンします。
つまり、
256GB SSD → 256GB M.2 SSD
という構成です。
ClonezillaとRescuezillaで、できるだけ同じ条件にして比較してみます。
ClonezillaでSSDをクローン

まずはClonezillaから試してみます。
Clonezillaは、Windowsにインストールして使う一般的なソフトとは少し違います。
USBメモリなどからClonezillaを起動して使用します。
まずはClonezillaの公式サイトからISOファイルをダウンロードします。
今回の検証では、ステーブル版のISOファイルを使用しました。
ダウンロードしたISOファイルを使って、USBメモリに起動メディアを作成します。
今回はRufusを使ってUSBメモリへ書き込みました。
USBメモリが準備できたら、検証用パソコンに接続してUSBメモリから起動します。
Clonezillaを起動
USBメモリから起動すると、Clonezillaの画面が表示されます。
まず言語を選択します。
今回は日本語を選びます。
続いてキーボードの設定を行います。
キーボードのモデルを選択する画面ではJapaneseを選択し、レイアウトも日本語に設定します。
設定が完了したら、Clonezillaを開始します。
するとClonezillaのメイン画面が表示されます。
「device to device」でディスクをクローン
今回は、ディスクからディスクへ直接クローンするため、
device-device
を選択します。
さらに、初心者向けのモードと、細かい設定ができるモードがあります。
今回は初心者向けのモードを使ってみます。
コピー元とコピー先の選択が重要
ここで、非常に重要な画面が表示されます。
それが、コピー元となるディスクの選択画面です。
今回コピーするのは、現在Windowsが入っている256GB SSDです。
つまり、
コピー元 → 256GB SSD
です。
そして、コピー先は、
コピー先 → 256GB M.2 SSD
となります。
ここは絶対に間違えないようにします。
特にクローン作業では、コピー元とコピー先を逆にしてしまうと、コピー先として指定したディスクのデータが消えてしまう可能性があります。
そのため、ディスクの容量や名前などをしっかり確認してから選択します。
Clonezillaでクローン開始
コピー元を選択したら、続いてコピー先のM.2 SSDを選択します。
ここでも、
SSDがコピー元
M.2 SSDがコピー先
になっていることを確認します。
その後、パーティションの作成方法などを設定します。
今回は基本的な設定を選択して進めました。
最後に、クローン後の動作としてシャットダウンを選択します。
すると、最終確認画面が表示されます。
ここではディスクの内容が上書きされる可能性があるため、特に慎重に確認します。
コピー元とコピー先に間違いがないことを確認し、問題なければクローンを開始します。
Clonezillaのクローンが完了
クローンが始まると、画面に進行状況が表示されます。
データが少しずつコピーされていきます。
そして、クローンが完了しました。
今回のクローンにかかった時間は、およそ5分程度でした。
思ったより早かったので、少し心配になるくらいです。
そこで、実際にクローンしたM.2 SSDからWindowsを起動して確認してみます。
M.2 SSDからWindowsを起動
いったんパソコンを終了し、元のSSDを外します。
そして、クローンしたM.2 SSDだけの状態でパソコンを起動します。
すると、
Windowsが起動しました。
無事に起動できています。
デスクトップを確認してみると、元の環境と同じ状態になっています。
ファイルも確認してみます。
こちらも問題ありません。
さらに、インストールしていたアプリも確認します。
こちらも正常に動作しています。
設定からWindowsのバージョン情報なども確認します。
問題ありません。
ライセンス認証もアクティブになっています。
ということで、
Clonezillaを使ったクローンは無事成功しました。
Rescuezillaでもクローンしてみる
続いて、もう一つの無料クローンツール、
Rescuezilla
を試してみます。
Rescuezillaも、Clonezillaと同じようにUSBメモリから起動して使用します。
ISOファイルをダウンロードし、今回もRufusを使ってUSBメモリへ書き込みます。
Rescuezillaの特徴は「分かりやすさ」
Rescuezillaの大きな特徴は、グラフィカルな画面で操作できることです。
Clonezillaと比べると、最初からかなり分かりやすい画面になっています。
USBメモリからRescuezillaを起動し、言語を日本語に設定します。
その後、複製を選択します。
コピー元とコピー先を選択
まずコピー元のディスクを選択します。
今回も、
256GB SSD
をコピー元にします。
次にコピー先を選択します。
こちらは、
256GB M.2 SSD
です。
ここでも、コピー元とコピー先を間違えていないか確認します。
問題がなければ次へ進みます。
パーティションなどの設定を確認して、最後に最終確認画面へ進みます。
Rescuezillaでは、画面上にコピー元とコピー先が分かりやすく表示されるため、Clonezillaよりも「何をしようとしているのか」が把握しやすい印象です。
問題がなければクローンを開始します。
Rescuezillaのクローンも成功
クローンが始まると、こちらも進行状況が画面に表示されます。
しばらく待つと、クローンが完了しました。
今回もクローンにかかった時間は、およそ5分程度でした。
それでは、こちらもM.2 SSDからWindowsを起動してみます。
パソコンの電源を入れると、
Windowsが起動しました。
Windows自体は問題なく起動できています。
システムからバージョン情報を確認してみます。
ライセンス認証もアクティブになっています。
続いてデスクトップを確認します。
元の環境にあったファイルやショートカットも、きちんと残っています。
ファイルを開いてみても問題ありません。
さらに普段使っているアプリも確認します。
こちらも正常に起動しました。
Windowsだけではなく、ファイルやアプリ、設定なども、M.2 SSDへ引き継がれていることが確認できました。
ということで、
Rescuezillaでもクローン成功です。
ClonezillaとRescuezillaを比較

今回使った2つを比較してみます。
Clonezillaは本格派
まずClonezilla。
こちらは非常に本格的なクローンツールです。
細かい設定ができるため、クローンやディスク操作に慣れている方には便利だと思います。
一方で、画面は少し独特です。
初めて使った場合、
「これは何を選べばいいんだろう?」
となるところもありました。
Rescuezillaは分かりやすい
一方、Rescuezillaはグラフィカルな画面になっているため、かなり分かりやすいです。
画面を見ながら、
コピー元 → コピー先 → クローン開始
という流れで進めることができます。
実際に両方を使ってみた印象としては、
初めてクローンするならRescuezillaのほうが分かりやすい
と感じました。
一方で、
細かい設定をしながら本格的に使いたいならClonezilla
という使い分けが良さそうです。
クローン作業で絶対に注意したいこと

ここで、重要な注意点です。
今回のようなクローン作業では、コピー元とコピー先を絶対に間違えないようにしてください。
特にClonezillaでは、ディスクを選択する画面が非常に重要です。
間違ったディスクをコピー先に指定すると、そのディスクに入っているデータが消えてしまう可能性があります。
クローンを実行する前には、
「どのディスクがコピー元なのか」
「どのディスクがコピー先なのか」
を、容量やディスク名などを含めて必ず確認しましょう。
そして、クローン作業を始める前には、大切なデータを別の場所へバックアップしておくことをおすすめします。
クローン自体をバックアップとして利用する場合でも、重要なデータについては別のストレージなどにも保存しておくと安心です。
また、容量の違うSSDへクローンする場合には、パーティションサイズなどが原因で別の問題が発生することもあります。
このあたりについては、また別の機会に検証してみたいと思います。
クローンの一番大きなメリットは「環境を丸ごと残せること」

今回あらためて感じたのは、クローンの一番大きなメリットは、単純にSSDを交換できることだけではないということです。
クローンを使えば、Windowsだけではなく、普段使っているアプリやファイル、設定などを含めて、現在使っているパソコンの環境を丸ごとバックアップしておくことができます。
例えば、今使っているSSDにトラブルが起きた場合でも、あらかじめクローンやバックアップを作っておけば、別のストレージへ環境を復元できる可能性があります。
つまりクローンは、
「SSDを新しいSSDへ交換するための方法」
だけではありません。
「今使っているWindows環境を丸ごと残しておくための方法」
としても活用できます。
まとめ|無料でクローンするならどちら?
今回は、無料で使えるClonezillaとRescuezillaを使って、256GB SSDから256GB M.2 SSDへのクローンを実際に試してみました。
どちらも無事にクローンすることができ、クローン後のM.2 SSDからWindowsを起動することもできました。
今回実際に使ってみた印象では、
| ツール | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| Clonezilla | 細かい設定ができる本格派 | クローンやディスク操作に慣れている人 |
| Rescuezilla | グラフィカルで分かりやすい | 初めてクローンする人 |
という使い分けが良さそうです。
初めてクローンするならRescuezilla。
より細かい設定をしながら本格的に使いたいならClonezilla。
というのが、今回実際に両方を使ってみた感想です。
そして何より、クローンはSSD交換だけではなく、現在使っているWindows環境を丸ごと残しておくためのバックアップ手段としても活用できるのが大きなメリットです。
無料で使えるクローンツールを探している方は、今回の検証を参考にしてみてください。



