10ギガ光回線は本当に必要?──実際の相談事例からわかる「導入すべき人・不要な人」

最近のインターネットサービスでは
「10ギガ」「超高速」「次世代インターネット」
といった言葉をよく見かけます。

「これからの時代は10ギガが標準になる」
「今のうちに乗り換えた方が得」

なんとなくそんな雰囲気を感じている人も多いのではないでしょうか。

確かに、数字上では1ギガの10倍。
とても魅力的ですよね。

しかし実際のところ、10Gbpsが本当に必要な人はそこまで多くない、というのが現実です。

ここでは、私が実際に相談を受けた企業の例をもとに、
・10Gbpsが必要なケース
・必要ないケース
をわかりやすく解説します。


相談事例:自動車修理工場の社長さんからの相談

ある日、自動車修理工場を経営されている社長さんから、こんな相談を受けました。

「会社のインターネット回線を10ギガにしたいんだけど、どう思う?」

話を聞くと、最近は修理工場でもパソコンを使う機会が増えているとのこと。

  • 部品の発注

  • 見積書の作成

  • お客様とのメール

  • 整備マニュアルをオンラインで確認

こうした作業が日常的に行われています。

「高速の10ギガにすれば、仕事の効率も上がりそう」と考えられたようでした。

しかし私はお答えしました。

「正直に申し上げますと、今の環境では10ギガは必要ありません」

社長さんは驚いていましたが、その理由を説明しました。


修理工場のネットワーク構成を確認

社長さんの会社のネットワーク構成は以下の通りでした。

  • デスクトップPC:1台

  • ノートPC:2台

  • 社員のスマホ:数台

  • 事務用タブレット:数台

シンプルで一般的な小規模事業所と同じ構成です。

このような機器構成であれば、
1Gbpsの光回線で十分すぎるほど です。

むしろまだ余裕があります。

では、なぜ10ギガにしても速くならないのでしょうか?


インターネットの速度は「回線契約」だけでは決まらない

非常に重要なポイントがこれです。

インターネット速度は、回線速度だけで決まるわけではない。

例えば、10Gbps回線を契約しても、

  • ルーター

  • LANケーブル

  • パソコン

これらのどれか一つでも1Gbpsまでの対応であれば、速度は1Gbpsのままです。

よく「水道管」に例えられます。

太い本管(10ギガ)にしても、家の蛇口(1ギガ)が細ければ、水は細いまま。

インターネットも同じです。


10ギガ回線を活かすために必要なもの

では、10Gbpsを本当に活かすためには何が必要なのでしょうか?

ひとつずつ見ていきます。


必要①:LANケーブルは「CAT6A以上」

意外と知られていませんが、ケーブルにも規格があります。

  • CAT5

  • CAT5e

  • CAT6

  • CAT6A

  • CAT7

  • CAT8

10Gbpsに対応しているのは
CAT6A以上 のケーブルです。

古いCAT5やCAT5eだと、物理的に10ギガは出ません。

特に会社・工場は配線距離が長いので、ケーブル交換に数万円〜十数万円かかるケースもあります。


必要②:10Gbps対応ルーターは高額

ルーターも10Gbpsに対応していないと、速度は出ません。

家庭用でも
3万〜5万円

業務用だと
10万円を超える製品も普通 です。

さらに注意点として、

「10G対応」と書いてあるのに、10Gポートが1つだけ

という製品も非常に多いです。

複数機器で10ギガを使うなら、
全ポート10G対応のルーター が必要=さらに高額。


必要③:デスクトップPCはLANカードの追加が必要

一般的なデスクトップPCは

  • 標準LANポート → 1Gbps対応

なので、10ギガを使うには

  • 10G LANカード(数千円〜1万円)を追加

  • または10G LAN内蔵のマザーボードへ交換(高額)

が必要になります。


必要④:ノートPCでは10ギガはほぼ不可能

ノートPCの多くはWi-Fi接続です。

現在主流のWi-Fi規格は

  • Wi-Fi5

  • Wi-Fi6

どちらも実測で1Gbps以下です。

つまり…

Wi-Fiでは絶対に10Gbpsの速度は出ません。

10Gbpsに対応しているのは

  • Wi-Fi7のみ(まだ高額&対応PCが少ない)


必要⑤:スマホ・タブレットも1Gbps以下

スマホのWi-Fi速度は高くても 500〜800Mbps ほど。

スマホで10ギガの恩恵を感じることは、まずありません。


一般家庭で10ギガ回線が必要になるケースは?

ここでは一般家庭の場合で、10ギガを導入した方が良いケースも紹介します。

  • 家族全員が大量にデータを通信する
    (例:4K動画の同時視聴×数人)

  • 大容量の動画データを頻繁にアップロードする
    (YouTuber・映像制作など)

  • 自宅NASを使って複数人が大容量ファイルをやり取りする

  • オンラインゲームで、ダウンロード時間を最短にしたい

  • Wi-Fi7対応ルーター+対応デバイスをすでに持っている

こういった特殊ケースでは、10ギガの恩恵はあります。

しかし、多くの家庭では
1Gbps回線で十分+コスパ最高
という結果になります。


結論:ほとんどの人は1Gbpsで十分。しかし未来に備えた選択もアリ

10Gbpsの光回線は魅力的ですが、実際に活用できる環境は限られています。

  • ケーブル

  • ルーター

  • PC

  • Wi-Fi端末

これらすべてが10Gbps対応である必要があります。

現状では

多くの家庭・小規模事業所は1Gbpsで十分。

しかし、

  • 自宅NAS活用

  • 4K動画編集

  • 大量データ通信

など、明確な目的があるなら、10ギガは大きな武器になります。

「なんとなく速そうだから」ではなく、

自分の環境で本当に必要かどうか、冷静に判断することが大切です。

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いつも使うから安く!と思っている方向け。

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