バブルが崩壊し、まだ日本の株式市場は低迷を続けている。もう遠い時代の悪夢のようにも思えるが、その時に多くの企業・経営者は株や不動産の売買、つまり相場で儲けようとした。
確かに、バブルが崩壊するまでは、相場で大儲けした企業も経営者もあった。その時の風潮として、本業だけにかじりついているのは無能であるとさえ言われていた。
だが、そんなにうまいことは長くは続かなかった。一時は儲けたかのように見えた企業は、バブル崩壊により大きなダメージを食らい、倒産を余儀なくされたところも少なくない。また、経営者もその責任を取り退陣していった。
江戸時代にも、相場は立っていた。今と同じように、相場で財をなした商人もいなかった訳ではない。しかし、そんなことをしてはいけないと言い残しているのが、前号で紹介した「金持商人一枚起請文」で知られる中井源左衛門の二代目である。
「買い溜めや相場などは、いつの時代でもしてはならない。人の不自由や難儀を喜ぶ不実な商いだからだ。たとえこのようなやり方で利益を挙げても、本当の利益とは言えないし、いつまでも続くものではない」(二代目・中井源左衛門)
現代の日本において、株式市場は重要な役割を担っている。だから、株式や不動産などに投資すべきではないと言うのではない。
だが、バブルの崩壊から日本経済が回復できないでいるのは、バブルの時に本業を疎かにして、相場で利益をあげようとした後遺症なのではないか。
顧客満足経営
近江商人は、始末して勤勉に働くだけではなく、「売り手よし、買い手よし、世間によし」の「三方よし」で商いに励み、陰徳を積んだ。これこそが、お客様の満足を追求することにより企業の永続的発展を目ざす「顧客満足(CS)経営」の源流であり、世界に誇ることのできるビジネスモデルである。
近江商人は、始末して勤勉に働くだけではなく、「売り手よし、買い手よし、世間によし」の「三方よし」で商いに励み、陰徳を積んだ。これこそが、お客様の満足を追求することにより企業の永続的発展を目ざす「顧客満足(CS)経営」の源流であり、世界に誇ることのできるビジネスモデルである。

